PROFILE
1979年にeDCグループ入社。米・LA支店での日系企業向けのシステム開発に従事。1989年、eDCグループ内の複数企業が合併し(株)SCCへと社名変更。1995年にSCCのシステム開発事業部第1システム部・部長を任される。その後2002年に関西支店・支店長を務め、2006年に取締役となる。2023年に現職に就任、現在に至る。
KUNIHIKO KASUGA
1979年にeDCグループ入社。米・LA支店での日系企業向けのシステム開発に従事。1989年、eDCグループ内の複数企業が合併し(株)SCCへと社名変更。1995年にSCCのシステム開発事業部第1システム部・部長を任される。その後2002年に関西支店・支店長を務め、2006年に取締役となる。2023年に現職に就任、現在に至る。
SCCは「Quality First」という活動理念、行動理念を大切にしています。「Quality First」とは、“高度な品質で情報社会に貢献し、お客様とともに栄える”ということを端的に表現した言葉で、その根底には職業倫理、企業倫理があります。大切なのは、お客様の事業発展こそを一番に考えるということ。またお客様の先の「本当のお客様」を考えて仕事をする姿勢です。お客様の業務をシステム化するにあたって、お客様が何を求めているのかを、しっかりと把握していないと、本当に良いシステムは構築できません。なぜなら、実際にシステムを使うのは、仕事の依頼元であるお客様ではなく、その先にいる「本当のお客様」だからです。お客様はもとより、「本当のお客様」を大切にして仕事をする姿勢が、情報社会への貢献につながります。そして、その根底を支えるのがSCCの社員たちです。だからこそ、社員一人ひとりがやりがいを持って働けるよう、働く環境や教育にも力を入れています。
これらすべての考え方の根幹にあるのは「豊かな高度情報社会の実現への貢献」という想いです。しかし理念は、掲げるだけではなく会社全体に浸透させてこそ、初めて意味を持ちます。そこでSCCでは、役員会議、部内会議での訓示、全拠点でのポスターの掲示を行い、「Quality First」の精神を全社員に浸透させてきました。会長の松尾泰が「Quality First」を掲げてから20年余りたちますが、役員から現場の社員にいたるまで全員がこの理念を理解し、行動に移しています。
「Quality First」とともに、「感謝の気持ち」を持つことも大切にしています。SCCが発展しているのはお客様のおかげです。お客様が成長し、発展しているからこそ、SCCの成長につながるのです。だからこそ、慢心することなくつねに謙虚な態度でお客様に接し、感謝すること。この姿勢がとても大切です。
例えば、社内の賞与支給式では、「お客様が発展しているからこそ、SCCもまた業績を伸ばすことができる。感謝の気持ちを忘れずにいよう」という会長訓示のあと、会長が部長、課長に賞与を手渡ししています。また、社員同士がお互いに感謝の気持ちを持つことも欠かせません。「こういう提案をしてくれてありがとう」「忙しい中、頑張ってくれてありがとう」――そんな気持ちを素直に伝え合う会議を設けているプロジェクトもあります。このようなコミュニケーションを通して社員が成長し、お客様にとって本当に良いシステムを提供することができる。この積み重ねがお客様からの継続的な信頼につながり、SCCのさらなる成長を実現させると信じています。
SCCは産学研の協同によって成長を続けるeDCグループの中核企業です。産業は、SCCおよび宇宙開発の先端を担う宇宙技術開発(SED)。学校は、豊かな情報技術を持った人材を育成・輩出する電子開発学園(EDC)および北海道情報大学(HIU)。研究は、情報教育の技術開発を行う北海道情報技術研究所(HiiT)。
eDCグループは、日本では他に類を見ない複合グループとして、人を軸とした産学研の循環を積極的に進めています。例えば、SCCの社員が講師や専門家として「学・研」にたずさわる。研究者がその成果を「産・学」にフィードバックする。高度な情報技術教育を受けた学生が、「産・研」へと巣立っていく。このような循環の背景には“人づくり”を大切にする想いがあるのです。
お客様はもとより、社員に対し、そして社会に対しても、「人を大切にする」という想いがあります。社員同士が感謝の気持ちを伝え合うことも、人を大切に想えばこそ。そして学生の皆さんも、私たちにとっては大切な存在です。特に直接コミュニケーションをとる人事課は、学生の皆さんを「お客様」と考え、SCCという会社に対する満足度を上げるための努力を行っています。就職活動で、多くの会社の中からSCCを選び、会社訪問や説明会に参加してくれた学生の皆さんに対して、「SCCを詳しく知ってほしい」「会社訪問をして良かったと感じてほしい」「できるだけ多くの情報を持ち帰って、就職活動に活かしてほしい」という想いがあるからです。
その想いが形になったものとして、インターンシップがあります。SCCでは、1999年から夏にインターンシップを行ってきました。10日間にわたって実務を体験してもらうプログラムで、毎年25名前後の学生さんが参加します。なかでも模擬プロジェクトでは、学生さんを3~4チームに分け、チーム内で役割を分担して“お客様”役の人事課社員を訪問。名刺交換やあいさつなどのビジネスマナーを学びながら、“お客様”へのヒアリングをもとに基本設計書にまとめるという内容です。最終日の成果発表会では、大学の教授や就職課の職員も参加。設計書の内容や自ら果たした役割について発表する学生さんを見て、その成長ぶりを見ていただく場になっています。さらに最近では翌日に座談会を開催。参加者同士でインターンシップの感想を共有したり、内定者や、インターンシップを経験したSCCの社員が学生生活の送り方についてアドバイスをしたり…という場を提供しています。学生さんから「システムエンジニアにはコミュニケーション能力が必要だとわかりました」「今後の学生生活で何を学ぶべきかがつかめました」などの感想をもらうと、本当にやって良かったと感じます。プログラムを企画してくれた人事課の社員には、感謝の気持ちでいっぱいです。
入社した時点では、社員一人ひとりの情報技術の知識に個人差があります。eDCグループの専門学校で情報技術を学んできた社員、大学で情報技術を学んだ社員、学生時代ほとんど情報技術に関わることなく入社した社員、本当に千差万別です。しかしその差を意識する必要はありません。大切なのは自分の目標をはっきりと設定し、その目標に向かって努力を続けていくこと。その先に成長があります。「5年後にはこうなっていたい」という理想像があれば、1年目にはこれができる、2年目には、ここまでできるようになっていたい…そんなプロセスが明確になります。すると、今目の前にある仕事に意味を見出し、楽しみながら挑戦できるようになるのです。
挑戦をすれば、失敗することもあるでしょう。しかしそこで何をするべきだったかを学び、次に活かせれば、とても大きな財産に変わります。そんな財産を持てたとき、人は成長しますし、企業も成長します。SCCへの入社を考える学生の皆さんには、成長の努力を惜しまない人であってほしいと願っています。