PROJECT STORY
先端認証技術を用いた
アジャイル型開発プロジェクト

MEMBER

志賀 拓磨
イノベーションセンター
R&Dグループ グループ長
入社18年目/経営情報学部 経営情報学科 卒
河野 幸枝
イノベーションセンター
R&Dグループ マネージャ
入社10年目/農学部 生物生産学科 卒

先端の認証技術を用いた
アジャイル型開発プロジェクト

システム全体を対象として、要件定義→設計→開発→テストと工程を区切り、順番に開発していく手法は「ウォーターフォール」型の開発モデルと呼ばれ、長い間、システム開発の主流になっている。
一方、「アジャイル」型の開発モデルがある。システム全体ではなく、機能毎に要件定義→設計→開発→テスト→リリースを繰り返す。お客様もプロジェクトチームの一員であるという考え方で、頻繁にコミュニケーションを取り、都度、実際に動くプログラムを触り、要望を教えて頂く。
このプロジェクトストーリーでは、ウォーターフォール型とアジャイル型の良いところを取り入れた、「ハイブリッドアジャイル」型開発モデルの導入に挑んだ2人のメンバーの姿を追いかける。

※以降、文中における「アジャイル」は、「ハイブリッドアジャイル型開発モデル」を指す。

より良いものをつくるための
アジャイル開発。

アジャイル型の採用に向けて動きだしたのは、当時マネージャだった志賀と、スーパバイザーとして志賀のフォローを担っていた河野の2人。なぜ従来のウォーターフォール型のままではなく、アジャイル型を採用する必要があったのか、河野は次のように語る。

「背景には、より良いものをつくりたいという想いがありました。ウォーターフォール型ではエンジニアとして良いものを追求したいと考えていても、お客様とのコミュニケーションの頻度が少なかったり、要望を確認してからお客様につくったものを確認してもらうまでに時間がかかりすぎたりすることから、妥協せざるを得ない場面も往々にしてありました。また、プロジェクトの体制も、ウォーターフォール型のように一人ひとり役割を分けるのではなく、チームでより一体になって、徹底的にものづくりに向き合いたいと思いました。そう考えた時に選択肢にあがったのが、アジャイル型の開発モデルでした」。

とはいえ、今までのやり方を変えるのは容易なことではない。また、アジャイルを導入するには社内だけでなく、お客様の理解や協力も不可欠だ。アジャイルの導入に動き始めた当初の感触について、プロジェクトマネージャーの志賀は語る。

「当時は社内の誰もアジャイルをやろうとは考えていませんでした。ですが河野が語ったとおり、お客様により良いものを提供するには今までのやり方では充分ではありません。私たちは社内やお客様に向けてアジャイルの意義を根気強く説明し続けました。その結果、アジャイルに挑戦することになったのです」。

SCCとお客様の信頼関係。

アジャイル型のモデルを取り入れることになったのは、SCCが20年以上取引を行っているクレジッドカード会社のお客様だ。アジャイルは、お客様もプロジェクトのメンバーとして頻繁にコミュニケーションを取り、一緒により良いシステムをつくる。「アジャイルとは会話することだ、とも言われます。お客様の協力も不可欠です」と志賀。今まで培ったSCCとお客様の強固な信頼関係のおかげで、やりたかったアジャイル開発への挑戦が実現した。

しかし条件が整ったからといって、当然すぐにアジャイルが機能するわけではない。アジャイルの浸透に向けて志賀はチームメンバーに働きかけた。「みんな今までのやり方に慣れていたので、急にやり方を変えるのは戸惑いがありました。そこで最初は私が音頭を取り、アジャイルのモットーである“素早く失敗、素早く改善”を体験させていきました」。

しかも本プロジェクトにはもう一点障壁があった。それはOAuth(オーオース)という先端の認証技術の導入だ。OAuthは複数のWebサイトでログイン情報を共有する権限認可のプロトコルのことであり、利便性と安全性を同時に担保することができる。しかし、国内では情報が少なく、業界内での事例もほとんどない。暗中模索の中、OAuthの技術理解に取り組む必要もあった。
「私たちもお客様も正解がわからないため、一緒に議論しながらプロジェクトを進めていきました。OAuthと類似の技術も比較しながら、お客様のビジネスには何が合致するのかを一つひとつ一緒に検討していきました」と河野は語った。

挑戦が、SCCをより強くする。

より開発現場に近い立場でアジャイルの導入体制の整備にあたったのは河野だった。河野は、SCCの風土がアジャイル導入を後押ししてくれたと語る。「他社の場合は、アジャイルを試すにも上司の許可が降りない、というケースも多々あるそうです。私たちにとって幸運だったのは、SCCには新しいやり方への挑戦を後押ししてくれる環境があったということでした。アジャイルでの開発が決まると、上司は部内に“アジャイル推進グループ”という新しい組織をつくり、体制を整えてくれました」。

新しい開発モデルであるアジャイルは、SCCにとっても挑戦だった。志賀は「挑戦せずに良いものはつくれない」と断言する。メンバー同士で盛んにアイデアを出し合い、そしてお客様とも対話を繰り返しながら本当に良いものを追求していく。それが2人の描いているチームの理想像だ。

プロジェクトの結果、お客様からの評価も上々だ。「今後もアジャイル開発への挑戦を続け、精度を上げていきたい」と2人は言う。プロジェクトによって、ウォーターフォールの方が向いているものがあれば、アジャイルの方が向いているものもある。より良いシステムを構築するために、最適な手法を選べるSCCでいたいのだ。
今までの強みを活かしながらも未知の領域へと挑戦を続け、新しい強みを手にしていく。まさに今回のプロジェクトは、SCCらしさを色濃く発揮したものになった。