小学生を対象にしたプログラミング教育への取り組み

はじめに

先端技術推進室の坂元です。
2016年4月に文部科学省より小学校でのプログラミング教育必修化を検討すると発表され、早3年となりました。
我々の取り組みも文部科学省発表の同年12月より開始していますが、取り組み当初から考えると、世間全体でプログラミング学習へ活気づいているのが手に取るようにわかります。

当時は、街をあるいていてもプログラミング学習なんて言葉を見かけるのは希でしたものね。
日常にプログラミング学習塾などのテレビCMも目にするようになりました。
時は進み、実際の必修化となる2020年まで残り1年です。

それでは、我々の現在の取り組みと、今後の展望について語っていきたいと思います。

その前にプロジェクトの自己紹介

いろいろとお話する前に、この取り組みにおけるプロジェクトのご紹介をしておきます。
プロジェクトの名前は「L(エル)」。
プログラミング的思考力を養える教材開発を行っていまして、現在までに、株式会社ワイズインテグレーションが展開する「ソビーゴ」を副教材としたテキスト、およびITリテラシー教育のためのテキストを開発しました。

画像:ビジュアルプログラミング教材×カスタマイズ式SCCオリジナルテキスト

プロジェクト名の由来は、今後ますます高度化する情報化社会において、子供たちが力強く生きていくために必要となる以下3つの力のイニシャルを取った物です。

3つのL(エル)

Logical(ロジカル)
必要な情報を選択して組み合わせ、筋道を立てられる力
Lateral(ラテラル)
「常識」に縛らせず、様々な角度から物事を捉える力
Literacy(リテラシー)
ICTを扱える力(知識・スキル)とそれを適切に扱う倫理観(モラル)

プログラミング的思考の骨格となる、LogicalLateral、また情報化社会に適合する知識とモラルのLiteracy
私たちは、そんな”これからを生きていく力”を養える教育を作ることを目標にしています。

余談ですが・・・”学びの質も3L(スリーエル)”なんて、合い言葉があったりします。

プロジェクト関係者は、株式会社SCCが船頭役として、大学、専門学校への教材開発を行っているHiiT や、全国で専門学校を展開する電子開発学園(EDC) など、eDCグループ各社が一丸となって取り組んでいます。

現在の取り組み

画像:授業風景

中野区とともに、中野区内の小学校へ出張授業を実施しています。

というのも、2020年度に向け、教育現場では勉強会などが適宜開催されてはいるものの、「プログラミング教育として何を実践すればよいのか」「そもそもプログラミングなんてしたことが無い」など理解が十分でないケースも聞こえる状況だったからです。
ついては一念発起。民間でも何かしら協力できる事がないかと、実際の教育現場で授業支援をさせていただいているというわけです。

現在は、2時限程度の特別授業のみですが、まずはプログラミング教育の中核となるプログラミング的思考とは何かを現場に浸透させるという点で、貢献できているかと思っています。
2019年度も中野区内で6校、豊島区で1校に向けて出張授業を行う計画です。
はぁ~忙しい・・・(嬉しい悲鳴ですw)

ちょっと宣伝になりますが、SCCが制作したテキストは90分×6コマ用です。
ただテキストを工夫しており、1ページ1アクションとなるように制作しているため、小学校の45分一時限制の授業においても、ページを再構成するだけで特別授業を実践しています。
授業を受ける生徒の練度、また授業を行う環境にあわせて自由に再構成できるテキスト。
それが、我々が開発したテキストの売りでもあります。
百聞は一見にしかず、ご興味あるかたはご連絡ください!

将来の展望

イラスト:プロジェクトイメージ

まだまだ我々は発展途上です。プロジェクトで掲げる3Lのカリキュラムを完成させるために、副教材まで含めたSCC完全オリジナルのカリキュラム開発に取り組んでいます。

広く一般に出ているプログラミング学習教材は、プログラミング要素が強く、我々の掲げる教育理念に完全合致するものがないのが現状です。
時代により変化する技術要素を取り払い、時代を超えて普遍的に求められる力であるプログラミング的思考力を養える、そんな教材を目指しています。

現在の小学校への出張授業で得られる経験も盛り込み、2020年度までに完成させたいと日々努力をしております。

まだまだ未完成ではありますが2019年6月に開催される教育ITソリューションEXPOには、概要をご紹介したいな~と思っています!!その際には記事をアップデートいたします!!

おわりに

プロジェクト発足当時は、小学生への教育経験などあるわけもなく、本当に手探りの状況でした。
プロジェクトメンバの子供たちを集め、テスト授業&改善と明け暮れる日々・・。
そんな当時に、小学校に出向いて授業を行う現在は全く想像できていなかったです。

3年で劇的に状況は変わる。子供たちの環境もしかりです。
3年後の子供たちに、我々に、失望されないように日々成長していきたいと思います!!