AIエンジニア育成計画
~世の中が必要とする人材を育てる ~

はじめに

今日はみなさんに、私たちSCCが取り組む『産学連携』のオープンイノベーションの中から、「現役AIエンジニア」×「現役講師陣」による学生向け教育カリキュラム作り の事例についてご紹介します!

この取り組みは、SCCで先端技術の研究・開発を専門に行なう「先端技術推進室」という部門と、全国10校の規模でプログラミング教育を展開している専門学校「電子開発学園」のコラボにより実現しました。

そもそも何故このような取り組みが実現できたのかというと、
私たちSCCが所属するeDCグループは
①システム開発を担う「SCC」&「SED」・・・(産)
②教育機関である「HIU」&「EDC」・・・(学)
③IT技術の研究開発を担う「HiiT」・・・(研)
という組織で構成されていて、
グループ自体が 『産学研連携』 を見据えたグループである、というのが背景にあります。

では何故いまSCCがAI技術者の育成に取り組むのか。
そして現役AIエンジニアが教育カリキュラム作りにどう貢献したのか。
今回は、そういったところにスポットを当てて紹介していきます!

なぜAI人材の育成に取り組むのか

イメージ画像:なぜAI人材の育成に取り組むのか

このところ、AI(人工知能)を利用したICTサービスが大きな賑わいを見せていますが、その一方で「AI技術者不足」が深刻な問題となっています。
あるデータによると、2020年には日本国内に必要なAI人材が4万8,000人不足するという調査結果もあり、将来に向けてAI技術者の育成が急務と云われています。

しかしAI技術者を育成するにあたって、そもそも育成するために必要な「AI開発の実務経験を持つ講師不足」という課題を教育機関は抱えていました。。。

今回のコラボは、この課題を打開する非常に良い一手なのです!
なぜならSCCは、AIが世間に流行するより遥かに前からAIの研究・開発に取り組んでいて、AI開発の実務を知り尽くしたエンジニアが豊富にいる組織だからです!

電子開発学園が直面した課題に対して、私たちSCCは自分たちの技術を通じて社会課題に貢献したいという想いから、一般的な産学連携の域を超えた全面的な協力を申し出ました。

具体的には、教材開発に必要な技術ノウハウの提供、AIの実務経験者を講師として派遣する等を決定し、これにより電子開発学園は、様々な課題にしばられることなく、理想に近い形でカリキュラム(授業内容)・シラバス(授業設計書)作りができるようになったのです!

現在SCCは、2019年度からのAI人材育成をスタートさせるため、電子開発学園と共同で教育カリキュラムやシラバス作りを行なっています。

AIエンジニアが「有識者委員」としてやったこと

イメージ画像:AIエンジニアが「有識者委員」としてやったこと

電子開発学園には、翌年度以降のカリキュラムの新規開発・見直しを行う『カリキュラム検討委員会』というものがあります。(※ 文科省では「教育課程編成委員会」という言い方をしています。)
SCCから派遣されたAIエンジニアは、この委員会にAI技術に詳しい「有識者委員」という立場で参画しています。

有識者委員として具体的に取り組んだこととして、まずは「育成人材像」の検討があります。
いま社会が求めるAI人材ってどんな人?ということを突き詰めていき、最終的には「サイエンススキル」 「エンジニアスキル」 「ビジネス活用スキル」という大きく3つのスキルが必要という結論に達しました。
そして、カリキュラムでの育成ターゲットを「AIシステムの開発と運用ができるエンジニア」 と定め(だって電子開発学園はプログラミング教育の専門学校ですからね!)、次に取り掛かったのが、「科目方針」「科目別学習到達目標」「学習要素」の設定です。

このあたりに、私たちSCCが持つ研究成果や実務経験が、ふんだんに盛り込まれています!

ただAIの技術要素を学ばせるのではなく、AIのビジネス活用までを見据えて、IoTやビッグデータといった範囲にまで、科目の対象範囲を広げています。
そして、それぞれの科目にどのような目的を持たせ、最終的にどうAIエンジニアに結び付けていくのか、、、
数か月にも及ぶ関係各所との協議の結果、晴れて5つの科目を新規開発することになりました!
その学習要素には、SCCの持つ技術ノウハウが惜しげもなく反映されています。

新聞、メディアにも現れない、やった者だけが知る「現実解」

イメージ画像:新聞、メディアにも現れない、やった者だけが知る「現実解」

2018年11月現在、委員会のみなさんは教材開発や授業準備の真っ最中だとか。

AIに関する書籍は巷にたくさんありますが、体系化された「教材」となると、その数は一気に激減します。
ここでもSCCのエンジニア達は大活躍しているようで、エンジニアの自分達だからこそ提供できる情報、たとえば実際にAI開発をやったからこそ分かる経験談、陥りがちな失敗、理想と現実の違いなども、教材等にちょいちょい盛り込んでいけたらと意気込んでいました。

知識だけでなく、体験も共有したい、と。

専門知識の提供はもちろん、さらに一歩先の、実務で使える知恵のようなものを教育現場に届けられるよう、AIエンジニアと講師陣が一丸となって制作に励んでいます。
学生のみなさん、もし教材を見る機会があれば、このあたりの心意気も感じ取っていただけると嬉しいです!

企業 × 教育現場がもたらすもの

最後に、今回のこの取り組みを通して聞こえてきた関係者の方の声を紹介します。

まず講師陣の方ですが、
「お作法だけではない現場の生きた技術を吸収できた」
「企業人としてのマーケティング目線に触れることで色々な気づきが生まれた」
といった声をいただいています。

そしてSCCのエンジニア達にとっても、今回の取り組みで得るものがたくさんあったようで、
「目の前の仕事だけではなく、自分が社会にどう関わっていくかという長期的な展望を持つことができた」
「有識者同士のコミュニティ・横のつながりが生まれた」
「授業ノウハウや指導ポイントなどは、部下育成にも役立てられそう!」
といった、さまざまな声が聞こえてきています。

「AI人材の育成」という目的で始まった今回の取り組みでしたが、企業人や先生の領域を越えた人材育成の場にもなったようですね ♪

今回このようなオープンイノベーションが実現できたのは、単に電子開発学園が同じグループだからということではなく、私たち自身今後も顧客ニーズに応え続けていくためには、将来を見据えたAI人材の育成とICT業界の発展が欠かせないと考えているからです。

組織の枠を超えて知恵を持ち寄り、スピーディに価値を生み出し、関わる全ての人・業界に貢献していきたい。
そしてその中で私たちSCCも共に成長していけたら、、、と考えています。

現在、教材開発や授業準備の真っ最中ですが、また面白いネタがあれば、こちらで紹介していきますね!